小笠原慧「DZ」 壮大なスケールの物語

小笠原慧「DZ」ES細胞の論文捏造事件がありましたが、そういえばES細胞が出てくる小説があったぞと本棚から引っ張り出してきて読み直しました。小笠原慧のDZです。
でも読んでみたらES細胞はほんのちょっとしか出てこなかった。なんでES細胞で思い出したんだろう。
それはさておき、これ、おもしろいですよ。

人類の進化を題材にした壮大なスケールの物語。ばらばらに進行するいくつものエピソードがすべて伏線になっていて、後半ぶわーっとつながって一気に衝撃の結末へ。最後の4行であっと驚く真実が明かされます。

染色体異常の患者を多く描きながら、同じ染色体異常でも、ヒトを超越する、もはや「異常」ではなく「進化」と呼ぶべき染色体異常もありうるのだという主題に衝撃を受けました。長い子供時代を持つことをヒトの欠点とし、それを補う新しい「種」の誕生。いやー、すごい発想だ。
医学な専門用語がたくさん出てくるので、苦手な人は苦手と思いますが、ぼくはこの手の、理数系なものを題材にしたお話がすきです。

Amazonのレビューを見ると、絶賛と酷評の両極端。たしかに荒削りな感じで、無理矢理なこじつけと言われてしかたない部分もあります。でもこのテーマと発想、そして衝撃の結末は秀逸。行間にかもし出される厳かな雰囲気もステキ。

ぼくがはじめて読んだのは2年くらい前で、当時Vo Vo Tauの1stアルバムを聴きまくってて、なんだかひもづけて記憶してしまった。同じ雰囲気を感じ取ってしまった。そして今回、Vo Vo Tauの3rdアルバムを聴きまくっている時期に読んでしまった。んー、偶然。

タイトルの「DZ」というのは「二卵性双生児」という意味だそうです。ぼくはそんな意味をさっぱり知らず、ただの記号としてしか受け止めてなかったので何も思わなかったけど、「二卵性双生児」と言われると、あまりいいタイトルではないな。実は賞に応募したときは「ホモ・スーペレンス」というタイトルで、出版時に改題したとのこと。たしかに「ホモ・スーペレンス」も直接すぎるなあ。タイトルって難しいね。

さて、じゃあ次は、この文庫本の解説で進化を題材にした小説として紹介されていた、小松左京の「継ぐのは誰か?」、グレッグ・ベアの「ダーウィンの使者」でも読んでみようかな。

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この記事へのコメント

  • 有紀

    はじめまして。サークル「花巡りの旅」からきました

    「DZ」すぐに読み始めよう!と思いました。
    小笠原さんの本を2冊同時に買い、
    「手のひらの蝶」を先に読み終えたところです。
    手の・・では昆虫の遺伝子がウィルスとなり・・
    という話でしたが、DZでは進化と呼ぶべき
    染色体異常ですか。おもしろそうでプルプル
    してしまいます!
    2006年03月24日 18:11
  • ぼくんち杉並区

    まいど。お、そーですか。ぜひじっくり読んでください。
    じゃあぼくはその「手のひらの蝶」ってやつも読んでみようかな。あ、でも上にあげた2冊もまだ読んでない。買ってもいない。。。
    2006年03月24日 22:59

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